令和2年12月24日に垂井町府中地区にある離山工業団地に株式会社イノアックが進出することが決まり、基本協定が締結されました。イノアックはBtoBの企業なので、耳慣れない方も多いでしょうが、まさに優良企業です。
イノアックは私がサラリーマン時代に営業担当だった企業で、当時はイノアックとの契約がゼロだったところから、大きなプロジェクトを受注できたのがきっかけとなり社会人として自信を持てるようになりました。ですから個人的にはとても思い出深く、愛着のある企業さんです。
今回、そのイノアックが垂井町に進出してくることになったため、その魅力を私なりの視点でご紹介していきたいと思います。
イノアックはウレタン製造のトップメーカー
イノアックは化学メーカーに分類される製造業の企業です。クッションやスポンジで日常的に使われているウレタンを日本で初めて量産したメーカーであり、ウレタン製造では日本トップシェアの企業です。
国内に13工場、海外の13の国・地域に60ほどの拠点があり、大手の自動車メーカーや化学メーカー、化粧品メーカーなどに商品を販売しています。
令和元年の決算では連結で5,400億円の売上があり、単体でも1,900億円の売上があります。連結の売上は垂井町の平成30年の工業出荷額1,600億円の3倍以上です。BtoBの企業なのであまり知られていませんが、同規模の売上の企業としてはケチャプなどで有名なカゴメや百円均一のセリア、コンビニのミニストップなど日本を代表する企業が挙げられ、イノアックがどれだけ優良企業であるかが分かります。
イノアックが離山工業団地に進出した理由
画像:http://www.town.tarui.lg.jp/docs/2020031100010/files/kouzikannryou.pdf
イノアックが垂井町の離山に進出した理由は大きく2つあります。
1点目は近隣の池田町・大野町にイノアックの工場があり、近隣で交通利便性の高い土地を探していることです。既存の工場敷地では生産設備の増設に対応できないことから、新たな工場を建設する必要がありました。
イノアックの工場は愛知県三河地方と岐阜県西濃地方に集中しており、垂井町は西濃地方の中央部に位置し、交通利便性が高いことから進出先に選ばれました。
外から垂井町を見ると分かるのですが、大阪や金沢まで2時間、京都や浜松まで1時間半、名古屋まで40分ほどでアクセスできる立地というのは全国的に見てもそう多くありません。自動車メーカーの顧客が多いイノアックとしては、全国的に見ても自動車メーカーの工場が集中している東海・関西の両方にアクセスが良好な地ということで垂井町を選択したのだと考えます。
2点目に自然災害リスクの低い土地を探していたからです。垂井町は内陸部に位置しており、発生確率が高いとされている東南海トラフ地震においても津波や大震度の地震は予測されておらず、水害の面でも大きなリスクはありません。特に離山は、山を丸ごと削って作った工業団地なので、地盤は非常に強いため災害リスクが低く、この点も進出の決め手となりました。
垂井町にはどんな工場ができるのか?
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イノアックが垂井町・離山に建設する施設はゴムスポンジの製造・加工工場や研究開発拠点(R&D)、物流センターといった複数の機能を持つ計画です。特に研究開発拠点の設置は、離山工業団地を造成するにあたって研究施設を誘致することを主張してきた身としては願ったり叶ったりといった気分です。
なぜ研究施設を誘致すべきかというと、研究設備は一般の工場に比べて騒音や振動といった公害リスクが発生しにくく、高額な実験設備や機械装置を多数保有することから、固定資産税が見込めることです(固定資産税は自治体にとっては景気に左右されない貴重な収入源の一つです)。また研究者の移住も期待でき、住民の増加や都会の大学に進学した若者のUターン先としても期待できます。
このように、イノアックが離山工業団地に進出することで、製造工場が作られるメリットに加えて研究拠点を誘致することで得られるメリットも享受できることから、非常に優良な企業が進出してくるといえるでしょう。
イノアックの進出に期待できること
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イノアックの進出は、自治体だけでなく地域にとってもプラスになります。イノアックは地域貢献にも熱心に取り組んでおり、地元の府中小学校や北中学校の社会見学や職場体験、府中地区との交流や自治会活動への協力、防災面での協力などを申し出ています。これらの取り組みは既に工場のある池田町や大野町で実施されており、垂井町でも同様に地域貢献に熱心に取り組んでくれることが期待できます。
このように、まちづくりの担い手としても活躍が期待できるため、イノアックの進出はメリットが大きいといえるでしょう。
おわりに
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垂井町は昭和33年に「垂井町工場誘致に関する条例」を制定して以来、半世紀以上にわたって積極的に工場を誘致してきました。この政策は大当たりで、工場の設置によって多くの人が垂井町に移住し、町が発展してきました。町村の工業出荷額は県内一を誇るのも、この先人の先見の明があったからこそです。
私が議員に就任してからも、栗原地区や宮代地区で工業が設置されるなど、交通利便性の高さを活かしたまちづくりは継続的に行われています。そして今回のイノアック進出によって、町はさらに活気づくことが期待されます。
人口減少化社会を垂井町が乗り越えるためには、今後も企業誘致を積極的に行なっていくべきだと考えていますし、町内にある既存の事業者さんの発展が欠かせません。進出が決まったイノアックへの支援を積極的に行うとともに、町内の事業者さんがより発展していくような政策も引き続き立案していきます。
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